忙しさの正体

いつも忙しくしていて、そのせいで皆に嫌われている、私のような人へ。

「誰彼を問わず、多忙な人は惨めである。」by セネカ

会社の仕事、あるいは商売という括りでは、忙しさがまるで正義のように見えることがあります。

それは「人気者」とか、「引く手数多」とか、「商売繁盛」などと表現することによって、とても有り難いことに感じられるところから始まります。

ただそれらが度を越すと、歪んだ事実となり、苦痛になり、自分や周囲の人に問題を引き起こします。

なぜ忙しくなるのか。

「なぜお前はそんなに忙しいのか?」と時々きかれます。

そんなときは「いや〜、あっちこっちから仕事の依頼が来て、どうにもならないんです。」と答えます。

もしかして自分の営業能力が高いのか?などと思ったりしますが、でも実際のところは、特別有能なわけでもないのです。

なぜそんなに忙しいかと言えば、無意識下に「忙しい自分が好き・忙しい自分はイケている」という気持ちがあるからではないでしょうか。ヒマでしょうがなかった過去の自分と比較すると、良いことだと思えてきます。

これは多分、ただ無駄に時間を過ごしてしまったときの漠然とした不安がトラウマのようになり、その裏返しとして「忙しい=イケてる」と感じてしまうのではないかと思います。

つまり忙しさは、そういう不安を打ち消してくれる、まるで嗜好品のように、自分の心に作用しているのです。

お酒とかタバコとか、そういったものと似ています。

だからこの状態をワーカホリックと言い、少なからず同じ感覚を持っている人が世界中にいるのだと思います。

ちなみにアル中のことをアルコホリックというのはみなさんご存じかと思います。

不安を不安と感じる悲観

「楽観には知性と意志がいる。」by ホイジンガ

日々、一喜一憂する私。周囲の状況に振り回され、あることないこと全てに不安を感じる。

漠然とした不安を「不安だ!」と感じ、その先行きを案じ「このままじゃだダメになる!」と悲観する私には、知性も意志もないのだ。

堂々として、やるべきことをやり、やってはいけないことをやめ、日々着々と大切なものを積み上げていく賢い人。そんな人が、本当に眩しく見えます。

私もぜひ、そういう人物になりたいと思います。

でもいったいどうすればそんな境地に至ることができるのか、さっぱりわからない。

わからない→愚か→不安になる→忙しさに酔ってしまう・・ああ、悪循環。。

日々、1ミリの前進

忙しさにかまけて30年、あっという間に年月は過ぎ去りました。

しかし過ぎ去った時間を惜しんでも、何の足しにもなりません。反省なら十分過ぎるくらいしています。

社会人になってずっと忙しくしてきた私は、それを遺伝のせいにしたり、自分の性分のせいにしたりして、なんの対策も考えてきませんでした。

ただこのままではやはり後悔することになるかもしれない。

仮に、なんらかの対策を取るとすれば、楽観的になるための知恵と知識を得ることであろうということが、最近ようやくわかりました。

日々それをイメージしながら精進すれば、もしかすると人並み程度にはなれるのかもしれない。

果たしてそんな日がいつか来るのだろうか。

ではまた!

忙しさの正体” に対して2件のコメントがあります。

  1. けんご より:

    波紋堂さん面白いですね
    西荻窪に店舗あるのでしょうか?
    Twitterフォローさせていただきました
    低音カリンバ完成楽しみにしています!、

    1. Kaname Kikuraku より:

      Twitterフォローありがとうございます!
      西荻窪に事務所はございますが、残念ながら店舗はございません。
      低音カリンバの開発はなかなか苦心してますが、コメントいただいてとても励みになりました。
      頑張ります!

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