Twitterでアート鑑賞・収集が楽しい。
最近、Twitterでのアート鑑賞が楽しくて仕方ありません。有名・無名問わず、自分の好みでいろんな作家さんをフォローしてますが、日々TLに流れる素晴らしい作品の数々。本当に楽しませていただいております。皆さん有難うございます。
でも、楽しんでばかりもいられないのでは? もしかして、問題も潜んでいるのでは?と思い、ちょっと書いてみることにしました。
Twitterは毎日がアート祭り
Twitter、アート好きには、たまらないSNSなのではないでしょうか。
ルネサンス期の絵画や、ピカソやシャガールのbotがあります。自動的に流れてきます。あとは有名な作家さん、知る人ぞ知るマニアックな作家さんのアカウントも多数あり。アマチュアとはいえ本当に素晴らしい作品をつくる作家さんもいます。一方、「完全なる趣味」で塗り絵などをしている方も、結構あなどれません。プロの作品に紛れると、不思議な癒しエネルギーを発します。
例えば、あの超有名なアーティストの横尾忠則さん(@tadanoriyokoo)。
毎日か、いやそれ以上、たくさんの絵を投稿しています。彼が描いた絵が、ほぼリアルタイムで見れるわけですから、これはもうファンにはたまらなく素晴らしいことではないでしょうか。
その他にもたくさん、Twitterには日々、いろんなアーティストの作品が大量にアップされています。
さほど手間をかけなくても、フォローさえしていれば、大量の作品が目に飛び込んできます。もう、アート好きにとってはウハウハ状態と言えるのではないでしょうか。
いい時代になったものだ!とオジサンは密かに思うのでした。。
ひとむかし前はどうだったか。
今は昔。
例えば、好きな作家さんの最新作を見たい!と思ったとしましょう。
ひと昔まえなら、以下のような手順が必要でした。
- ジャケットなど、そこそこ上品な服を買いに行く。
- 購入した服を着る。
- 電車に乗って、美術館へ行く。
- 入場料を払って中に入る。
- さも関心ありげな表情で作品を見てまわる。
- 目的の作品を見つける。
- 他の人が見終わるのを待つ。
- ようやく順番が回ってくる。
- じっくり見る。
- 後ろで待っている人もいるので、早々に切り上げる。
- 美術館のショップを見て回る。
- 衝動買いをしてしまう。
- 美術館を出る。
- お腹が空いたので飲食店で何か食べる。
- 電車に乗って帰途につく。
- 帰り着いて、ジャケットを脱ぐ。
はい、いかがでしょうか。
今では、これらの手順一切無しで、Twitter上にどんどん流れてくるわけですから、もうこれはアートを鑑賞する形態は激変したと言えるのではないでしょうか。
定番の反発・反論。
もう今にもそこから反論の声が聞こえてくるようです。ですから、先に指摘しましょう。
多分こういうご不満をお持ちだと思います。
・「でも小さい画面で見てもねぇ。。」
・「やっぱ実物じゃないとねぇ。。」
・「作家さんの意図が伝わらないのでは?」
確かにそうです。
例えば横尾忠則さんも、そのようなことを思ったことがあるかもしれません。
でも実際には、ほぼ毎日絵をアップしており、今ではフォロワーさんが約32万人もいます!
美術館に作品を並べるよりも、圧倒的に多くの人に届いているのではないでしょうか。また、求めている人も多い。
小さい画面で、気軽に見るのも良し。頑張って現物を見に行くのも良し。優劣があるのではなく、棲み分けが成されているのだと思います。
そして実際のところ、小さくても結構イケてます。「やっぱ現物を見なければ!」と強く思うことは時々しかありません。(私の場合、ですが。)
でも手放しでは喜べない。
Twitterのアートフェス化。喜んでばかりもいられません。
なぜなら、こうして私が作品を楽しんでいても、作家さんには一切お金が入らないからです。
つまり、若い作家さんが育ちにくい社会・経済である、ということです。
無名な作家さんは、Twitterでただひたすら消耗しているように見えます。なぜ全くお金を得られないのに、そんなにTwitterに力を入れているのか。
「単純にTwitterが好きだ!」ならいいのですが。。
私から見ると、かなりの努力をしている人が、結構いるのではと思います。
もしかすると、バズったりして、有名になって、それから絵も売れて。。。そういう夢を見ているのかもしれません。確かに、そういうパターンはあります。実際にあります。しかし、ごくごく、たま〜に、そういう人がいる、というだけです。
アマ●ンでアート?
ところで最近、アート関連の書籍を探していて、偶然見つけました、通販アート。
例えばこんなもの↓
「完全手書き」「油彩画」「リビングと寝室の飾りに最高」などなど、驚くようなコピーが。「ホントかなぁ?」と疑いたくなるような商品。
これが¥3,999(2021.2.9時点)ですから驚きです。これを描いている方は、よほど速筆で、大量にサバけないと、これだけで生活できないのではないかと心配です。(余計なお世話かもしれません。すいません。)
こういうのを見ると、アートも安くなったものだと思い知らされます。
ちょうど音楽が、iTunesなどのサブスクで、大量に聴けるようになったのと同じなのかもしれません。ミュージシャンも、音楽作品(データ)を売って生活できる人はほんの僅かなのかもしれません。
アートの将来は?
こうして見てみると、音楽の方が先にディスカウント化が進んでいたのかもしれません。昔のように高価なレコードをたくさん売って儲ける仕組みは無くなってしまいましたから。
アートの場合も同様の道を歩むでしょう。(美術館やギャラリーでの展示は、無くなることはないと思います。)
しかしコロナ禍の影響で、従来よりも更にヴァーチャル化、つまり現物を見るのではなく、Twitterなどでみんなに見てもらう、というのが主体になりつつあるのかもしれません。
Twitterでバズったから個展を開く、という人を実際に見たことがあります。そういう順序でアーティストの道へ進む人もたくさんいるのだと思います。
音楽もアートも、まずは「ヴァーチャル」で、しかも「フリー(無償)」で提供し、よほど人気が出たものだけが、ライブ・個展等の「リアル」に進み、そこで上手くいけばお金を得ることができるという、なんとも時間と労力のかかる険しい道となっているようです。
「険しい」という意味では、昔と変わりませんが。。
昔と今で違う部分は、「情報の拡散」です。
もし良い作品ができれば、一気に拡散できます。そこを意識しながら、コツコツと努力できる人が、プロになっていく時代なのかもしれません。
まとめ
いろんなSNSがあります。そしてTwitterは独特です。
私もTwitterが好きですが、その楽しみ方として「TLをアート祭り状態にする」ということをひとつオススメしたいと思います。
そしてもし余裕があれば、無名の作家さんを応援してあげて下さい。
そしてアートなら言葉は必要ありません。ぜひTwitter&Artで、世界と繋がって楽しみましょう!!
omake!
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