山から生まれた「ポッカリ山」。ペンが1本立てられます。

最近の波紋堂は、ヘンテコな名前を付けることにハマっております。

山から生まれた「ポッカリ山」のご紹介。

なぜこの作品を作ったのか。

ある日、特急あずさに乗っていました。朝、出張で新宿→長野へ向かう途中のことです。奥多摩を通過し、山梨県に入ったあたりでしょうか。深い霧の中に、のっそりとたたずむ灰色の山々。その美しさに心を奪われました。普段(いやもう何年も)東京のビル郡しか見ていなかった私には、とにかく壮麗で幻想的な風景に見えたのです。

出張から帰ってきて、何日経っても、その風景が心から離れませんでした。そしていつしか、「山をテーマにした作品を作りたい」と思い始めました。その第一弾がこの「ポッカリ山」。

ポッカリ山 テーブルの上
ポッカリ山 テーブルの上

名前の由来

この作品、キャチフレーズはこうです。

 潤いは「シットリ」

 失敗は「ウッカリ」

 そして心に穴があいたときは「ポッカリ」。

そうです。心に穴があくときに、そんな音がするような。。

ペンを立てたとき、手前にちょっとした空間があります。そこに、お気に入りの何かを置いて、心の穴を埋めることができますよ!というのが、この作品の大切な部分となります。

つまり、山の麓(ふもと)にポッカリと空いた不思議な空間。そこには深い霧が立ち込めて、ぼんやりとしています。なぜかそこに心が引きつけられるのです。

ポッカリ山 アヒルちゃん
ポッカリ山とアヒルちゃん

アシンメトリー(非対称性)のかたち

この「ポッカリ山」。上から見ても、すこし「いびつ」な形をしています。これは山をイメージしているから、ということもありますが、あえて「アシンメトリー(非対称性)」の形にしております。

ポッカリ山 上からの写真
ポッカリ山 上からの写真

これは、鈴木大拙の名著「日本文化と禅」に影響を受けています。「日本は昔から、非対称のものが多い」ということが書かれていました。例えば、お寺の敷地内の建物の配置、日本式の庭園など。そう言えばそうだな!と思いました。フランス式庭園など、まさに対照的。(対称ではなく対照)

そして試しに非対称なものを作ってみると、これがなんとも心が落ち着くのです。不思議なものです。長年日本で暮らすと、そんな感覚になってくるのでしょうか。なんだかワビサビの趣きです。

材料はガルバリウム鋼板

波紋堂は今まで、多くの作品でガルバリウム鋼板という材料を選定しています。これは、普通の材料では加工のときにキズが付いてしまうからです。キズ対策はいろいろありますが、できれば塗装やメッキなどをせず、材料そのままの風合いを活かしたいと考えています。

通常は建築物(屋根や壁)に使う材料ですので耐久性はとても高いです。もしかすると、屋内使用なら子の代、孫の代まで使えるのではと思っています。でも実験するにはあまりに時間がかかり過ぎますので、今は「多分、長年使えます」としか言えません。

まとめ

「ポッカリ山」、いかがでしょうか。

突然目の前に「はい、『ポッカリ山』をどうぞ!」と出されても、「はぁ?」となると思います。でもこのようなご説明を差し上げれば、少しは身近に感じていただけるのではと期待しております。どうぞ、ペンを立てて、心の穴も埋めていただければと思います。

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